実質賃金が下がり続ける日本

実質賃金が下がり続ける日本

15年以上も日本では実質賃金が下がり続けています。その結果、日本は一人当たりGDPはG7最下位になり、国としてのGDPもドイツに抜かれ世界四位に転落しました

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契約社員、派遣社員の立場で苦しい生活

日本政府は長年にわたり、緊縮財政という政策を続けてきました。緊縮財政とは増税をして、政府の支出を減らす政策です。この結果、高度経済成長の時代には二公八民であった税の負担は、いまや五公五民になり、収入の半分が、税や保険料として国家に徴収されてしまう状態になりました。その結果、国民は貧困化しています。消費税は国民を苦しめるだけでなく、中小企業も苦しめています。一刻も早く緊縮財政をやめ、積極財政に方向転換する必要があります。日本は世界一、信義を大切にする国民性で、経営者は社員を我が子のように大切に守ってきた歴史があります。しかし、ブラック企業もまた存在します。飲食店や美容系のブラック企業では、サービス残業が常態化しているところもあります。中には、月に100時間以上ものサービス残業があたりまえになっているところも。

 

雇用情勢の悪化によって、短期派遣による再就職を繰り返す

非正規職を転々と繰り返す限り、昇給も生活の安定もありません。IT企業なども、リストラなどを平気で行うため、ITの技能があっても貧困生活を送るアラサーが増加しています、手取り月収が15万から17万ほどしかないアラサーは結婚もできません。もっといい職場はないかと、転職を繰り返しているうちに30歳になってしまい、次の転職先もブラック企業なのではないかと絶望するケースもあります。契約社員で手取り16万円という中で、多くの若者が困窮しているのです。デイサービスや老人ホームは、業界全体が慢性的に人手不足です。かといって、介護報酬が国に上限を定められているので、賃金があがりません。ここでも月に100時間以上の残業をしているケースが多いです。ところが、多くは、手当ては16時間分ほどしか支払われません。これは労働基準法に違反しており、本来は、労働基準監督署に通告して、企業への指導をしてもらうべき問題です。介護職の場合、施設が行うイベントなとにも借り出されます。その場合の休日出勤にも手当てが出されることもなく、月収は30代でも17万円ほどしかないということです。家賃を支払い、光熱費、通信費、食費などを支出すると、手元にはほとんどお金が残らないため、貯金もままならないのです。

 

社員を大切にする日本的経営をしている経営者も日本に多い

ブラック企業は美徳ある経営者をお手本にして改善してもらいたいものです。派遣事務員などの場合、時給がよければ、20万円以上を超えるものもありますが、契約更新がないために突如、収入がなくなることもあります。倉庫作業員のパートなどは、時給850円程度、残業を相当こなさないと、月収15万以上にもなりません。派遣社員でいる限り、昇給もないため、正社員になりたいと考えるのは当然です。郵便局の契約社員の手取り月収は15万円しかありませんが、このような職種は、数年勤続すれば、試験を受けることで、正社員に登用される可能性があります。正社員になれば、月収20万円に手取りもついて生活も安定します。このように契約社員、派遣社員の立場で苦しい生活をしながら、正社員になることを夢見てがんばっているアラサーが多いのです。政府に意見する経済財政諮問会議の何某氏は、正社員こそ最大の既得権益なのだと豪語し、正社員制度そのものを害悪だとみなすような発言をテレビ番組などでも、平然と口にしていましたが、正社員になることを夢見て、食生活も住居も衣服も困窮する生活を続ける二十代、三十代の日本国民に対して、どのように説明するというのでしょうか。

 

外国人労働者を安い賃金で導入されれば日本国民の低賃金化が

外国人労働者を日本に入れようとする政策を断固として阻止し、むしろ、日本は労働鎖国の政策をとり、日本国民の賃金があがり、給与が増えるように配慮する必要があります。人手不足になれば、その業界の賃金はあがるのです。それが自然の法則です。外国人労働者を導入することはこの自然の賃金上昇の流れを邪魔し、日本国民の所得を低いままで押さえ込もうとする悪意あるやり方であるといえます。日本はもともと社員を大切にする経営者が多く、ブラック企業は世界の基準から見れば、少ないほうかもしれませんが、存在していることは事実です。若者が貧困化している背景に、ブラック企業の過酷な労働環境があります。非正規雇用が増加して、派遣社員として働く若者は増えています。正社員との格差が大きく、生活が保証されないため、不安を抱えている人が多いです。とりわけ、アラサー世代の就職は小泉政権の時代です。派遣労働を増やし、雇用を流動化させることに熱心でした。これを実力主義とか、既得権益の破壊と美称しましたが、実態は、社会不安を増大させて、アラサー世代を貧困化させる結果を招いています。

 

結局は正社員にしがみついていた人が勝ち残り?

非正規社員になった人は、キャリア形成で大きなデメリットになり、その後の人生が大きくゆがめられたのです。月収が20万円以下のアラサーが増えて、生活苦を感じている人が多いです。ブラック企業につけこまれる形で、長時間労働や無理な勤務をこなしている人が増えています。ブラック企業は、社員を使いつぶす感覚で雇用しています。低賃金で長時間、働かせて、数年でやめさせることを繰り返しながら、会社の収益を上げているところが多いです。非正規社員が過酷な状況にいることをまざまざと見せ付けられて、正社員の地位を死守したい人々も、ブラック企業にとっては都合のよい労働力となるのです。

 

社員を大切にする企業が栄えていく政策

ブラック企業は、労働基準法を守らないことで会社の利益を増やす存在です。たとえば、労働基準法では、一週間に一日、もしくは四週間に四日の休日を与えることを義務づけています。そして今の時代、週休二日の会社もしだいに増えているのです。その一方で休日返上で仕事をさせられるブラック企業もあります。同じ人間に生まれながら、働き先が違うと、人生の質もまるで変わるのです。休日出勤あるいは、休日に研修を受けさせたり、講習会に参加させる会社も多いです。これらはみな、労働基準法に違反している違法行為なのです。もし、休日に講習会や研修に参加させれば、それは勤務とみなされるので、別途、休日を与えるのが会社の義務なのです。美容業界や医療業界では、このような休日出勤が当たり前とされる風潮があり、労働基準法を遵守している会社も増えているものの、まだまだ、ブラック企業が多いです。残業についても、その手当てを法律にもとづいて適切に支払っていない会社がまだまだいたるところに存在しています。

 

労働基準監督署に内部告発し、ブラック企業を改革

新聞や週刊誌に情報を提供したり、弁護士の助けを借りて、会社と戦い、こうした社会悪を日本からなくしていくことも大切です。日本からブラック企業を駆逐し、労働環境を改善させることで、社会が安定化します。自殺率も低下し、国民の所得も増えることになります。休日がしっかりと確保されていることで、共働きの夫婦や、副業をしたい人にとって、その生活自由度が保証されていくからです。労働基準監督署への告発や相談は、どんどん個人で実行することが大切です。そうすることでブラック企業は減少するはずです。

 

日本は今、人手不足、人材争奪戦が始まる

このまま労働移民を入れる隠れ移民政策を阻止できれば、日本は人手不足で人材が各業界で不足することになります。すると、就職がやりやすくなり、労働条件の悪い会社をやめて労働条件や待遇の良い会社へと人材の移動が起こります。この結果、賃金は上昇し、待遇が改善され労働基準法が遵守されている会社が増えていくことになります。そうなれば日本国民は平均年収が増えていくのです。また国家の税収も増えてGDPも増え、経済再生が進みます。これから、この良い流れを維持できれば、本来の日本型経営が甦り、日本再生がなされます。そのためにも、労働移民を日本に入れないようにしなければなりません。外国人労働者とは低賃金労働者であって、日本国民の平均給与を押し下げる悪影響しかありません。政府の推進する隠れ移民政策に国民が断固としてNOをつきつけるべきであり、人材派遣会社の会長の専横を阻止することが国益となります。

 

働き方改革は労働者や管理監督者を救うか?

管理監督者とは、部長、工場長などの労働条件の決定、労務管理について経営者と一体的な立場にある者のことです。会社の経営方針の決定に参加しており、役員会議などに参加している人のことです。また、出勤と退勤が自由で、タイムカードによる管理をされていない立場であることが原則です。そして、職務の重要性にふさわしい十分な役職分の手当てが支給されている必要があり、一般社員の平均残業代よりも手当てが低額になっていないことが原則です。もちろん、管理下にある部下の人事権を有していることが前提になります。仕事の内容が管理監督者として、ふさわしいものであり、社員の穴埋めのような仕事を日常的に行っているようではいけないことになっています。これらの条件をすべて満たしていれば、管理監督者として認められるので、残業代が支給されなくても文句はいえません。しかし、これらの全部が満たされるような管理職はむしろ少ないというのが、実態ではないでしょうか。にもかかわわらず、管理職には残業代は支給されないといわれて、残業代を受け取れないと思い込んでいる人が多いことが今、大きな問題になっています。

 

残業代については会社との話し合いを必ず持つ

そのような人は、会社側ときちんと話し合い、残業代を受け取れるように改正してもらう必要があります。働き方改革で、残業代の支払いが正当に行われるようになることが大切であり、その方向性での法改正でないと意味がありません。労働者災害補償保険のことを労災といいますが、労災の要件は、仕事が原因でおこったもの、つまり、業務起因性があり、勤務時間中におきた業務遂行性のものである必要があります。ここで注意すべきは、通勤途上の災害は、解雇の保護規定は適用されないということです。労働の規制緩和は、1985年の労働者派遣法から始まります。1998年には労働基本法で、裁量労働制が明記され、1999年には建設、軽微、港湾、製造をのぞく、実質自由化されました。さらに2003年には、製造業も解禁されて、現在に至っています。派遣先に責任のある動労安全衛生法としては、第一章の総則でもふれられ、第三章の安全衛生管理体制でもふれられています。さらに第四章では、労働者の危険または健康障害を防止するための措置としてふれられています。そして、第五章では、機会および有害物に関する規制でも、第七章の健康の保持増進のための措置や、快適な職場環境の形成のための措置や、第九章の安全衛生計画などでも関連しています。

 

派遣労働の規制緩和で派遣業者だけが儲かる仕組みができた

そして、下請け従業員への安全配慮義務については、三菱重工神戸造船所事件が平成三年4月に最高裁で結審した際に、下請けの労働者は、元請の管理する機械や設備や工具を使って、元請の指揮、監督のもとに作業して、実質的に作業し、実質的に指揮命令関係に入るような場合には、信義則上の義務として認められることが、最高裁判決として出ているのです。ネクスター事件又の名をニコン事件においては、23歳の派遣労働者が自殺しましたが、15日間の昼夜連続ニ交代制勤務での休日出勤の結果、自殺したとして、派遣元、派遣先の双方に安全配慮義務があるとして、最終的には東京高裁で、7060万円の支払いが判決されています。2009年のことです。このときも派遣法違反も指摘されました。

 

経済財政諮問会議に派遣会社のボスが参加

政府の方針に強く影響を与える経済財政諮問会議の委員は選挙で選ばれた存在でもないのに、やりたい放題に利権をむさぼっています。派遣会社のボスが在籍して、外国人労働者の派遣業務で大儲けしようとして、さまざまな法改正を狙って暗躍しているのです。外国人労働者をさまざまな業界に派遣して、日本国民の仕事を奪い、自分達だけ利益を得ようとしている人々を経済財政諮問会議から速やかに追放していくよう政府や与党に日本国民が働きかけていかないと、働き方改革は、むしろ国民を不幸にする結果となるのです。


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