MMT批判をする者たち

MMT批判をする者たち

J氏のMMT批判のどこが間違っているかについて論考しました。

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J氏のMMT批判

MMTのステファニー・ケルトン米ニューヨーク州立大教授が来日して話題になると、経済評論家のJ氏は、熱心にMMT批判を展開しています。日本においてのMMT提唱者である藤井聡教授(京都大学)や、三橋貴明氏を正面から批判せずに、「どこそこの雑誌に書かれたこの記事を読めばMMTの間違いがわかる」などといった迂遠な批判方法で印象操作を繰り広げています。

J氏はMMTの3つの常識に反論ができない

MMTの主張は、3つに集約されます。1、自国通貨を持つ政府は、財政的な予算制約に直面することはない。2、すべての経済は、生産と需要について実物的あるいは環境的な限界がある。3、政府の赤字は、その他の経済主体の黒字。この3つの経済における事実を指摘しているのがMMT(現代貨幣理論)です。J氏はこれまでことあるごとに、MMTはインチキだ、MMTなどバカな理論だといった印象操作のような誹謗中傷を繰り広げていますが、MMTの3つの論に対して、真正面から反論したことがありません。論理的にMMTに反論をするのではなく、印象操作でMMTをつぶそうとしているのは、何故でしょうか。そこに何らかの悪意があると言えるでしょう。J氏に人としての誠意があるならば、藤井聡教授や三橋貴明氏と真正面から討論して、論破して見せるべきです。

J氏のMMT批判の主張は間違いだらけの「古い経済学の常識」

これまでMMTを批判する古い経済学の信奉者達は、「MMTは政府は借金し放題の理論」と主張していますが、MMTはそのような主張ではありません。インフレ率の上限があります。J氏のMMT批判の中心は、「マネーサプライを拡大すればマネーストックが増えるのでインフレにできるから、もっと金融緩和せよ」というものです。ところがこれが大間違いであることは田村秀男さんが指摘しています。すなわち、異次元の金融緩和で生まれたお金はすべて海外投資家のもとに流れ出て、最終的には中国経済を生き延びさせる手助けをしてしまう結果となっているのです。日本国内のデフレの解消のためには、日本国内の社会活動、実質経済にお金が循環する必要がありますが、金融緩和だけではそのようになりません。デフレ解消には、政府の財政出動が必要なのです。「もっと金融緩和すればよい」とのJ氏の主張は、結果的に日本のデフレ解消は解決せず、中国経済を延命させる手助けとなるだけです。J氏は、経済の仕組みがわかってないようです。中野剛志さんの「奇跡の経済学」を読んで勉強するべきです。

J氏は政府は企業や個人の経済活動に干渉せず市場に任せよと主張

J氏の主張の一つが、「政府は企業や個人の経済活動に干渉せず市場に任せよ」とする主張です。これは新自由主義の思想であり、政府の財政出動を否定する主張であり、デフレの解消には政府の財政政策が不可欠であることを理解できてないことを示しています。デフレ下の日本では、最初に政府が公共事業や医療介護教育分野や防衛予算拡大などの方法で日本国内の実質経済に対して、お金を支出していかないと、デフレ解消はできないのです。金融緩和だけではデフレ解消できないのです。この仕組みをJ氏はわかっていないのです。グローバリズム、規制緩和、緊縮財政を推し進めた平成日本がデフレ深刻化をもたらしたことが理解できていないのです。今必要なことはこの正反対の処方箋なのです。日本国内に新幹線網を充実させて東京一極集中を緩和するなどの財政出動をするには、政府の主導が必要です。個々の企業や個人に任せていては、こうした防災インフラなどの整備はできないのです。防衛予算を二倍にするにも政府の主導でないとできません。J氏には国の安全保障の概念が欠落しているようです。三橋TVを全部見て経済の勉強をやり直すべきです。

古い経済学に頭が占拠されているJ氏

MMTは古い経済学の矛盾を明確に指摘しています。「政府は税金を徴収してから支出をする」のが誤りであること。「貨幣発行量には限りがあり国債を発行しすぎると債務不履行になる」のが誤りであること。「中央銀行による国債買取は財政ファイナンスである」のが誤りであること。「財政赤字や国債発行が金利を上昇させる」のが誤りであること。などをことごとく明らかにしているのがMMTです。そして、「銀行預金から国債発行されるのではなく、国債発行すれば銀行預金が増えるのだ」ということもMMTは明確に示しています。J氏はこうしたことにはいっさい反論できていません。本筋を外した枝葉末節の部分を誹謗中傷したかのような印象操作でMMTをつぶそうとしているのです。この態度は学問的とは言えません。三橋貴明さんの『国民を豊かにする令和の政策大転換〜現代貨幣理論が日本を救う』を熟読して、経済を学び直してもらいたいと切に願います。

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