
あなたの見ている世界は、あなたの経験した過去の出来事をあなたが自分なりに解釈して色付けして思い込みに思い込みを重ねながら作り出した世界観です。それはあなたにとっての真実。「パーソナルリアリティ」です。人は誰もがそれぞれの「パーソナルリアリティ」の中に生きています。そして、その世界観が「引き寄せの作用」を発揮し、その人、特有の運命傾向を現実化させてしまうのです。
どんな世界観を持つのか。これがすべての人にとってたいへん重要です。そしてどんな世界観を作ってもその人の自由であり、そこに正解はありません。正解はないですが、作った世界観は確実にその人の運命を縛ります。そこで大事になるのは、自分を幸せにできるような「パーソナルリアリティ」を創造することです。「パーソナルリアリティ」があなたの未来を生み出します。ネガティブな世界観であなたが幸せになることはできません。
人は自分が考えたとおりの人生を生きるのです。この仕組みを悟ったら、今、どうすればよいか明らかです。それは、過去のことは過去のこととして、いったん捨て置くことです。自転車に乗れない小学生がいました。彼女はどれだけ努力してもこれまで自転車に乗ることができませんでした。その過去の事実はたしかに事実なのです。しかし、彼女はこの事実をもとに、こんな世界観を作り出したのです。それは、「わたしは自転車には乗れないんだ。どれだけやってもできないんだ。それがわたしなんだ。」と。
この世界観を持ったため、彼女はその後、死ぬまで自転車に乗れることはありませんでした。乗ろうという努力さえする気にならないうえに、わずかに努力したとしても、できないに決まってると、すぐあきらめてしまうことを繰り返したからです。しかし、彼女の妹は、自転車に乗れるようになりました。妹もはじめは乗れなかったのです。でも、妹は、自分はできないとは思いませんでした。妹はこう思ったのです。「わたしにもできる。いつかできるようになる。チャレンジし続ければできるようになるはずだ。人にできてわたしにできないなんてありえない。」妹はこんな「パーソナルリアリティ」(自分の世界観)を持ったので、何度転んでも、チャレンジを繰り返していきました。そして、とうとう自転車を乗りこなすようになったのでした。
人の脳は死ぬまで成長し、神経結合も発達し続けることがわかっています。かつては脳は成人後は脳細胞がどんどん死滅するだけだといわれましたがこれは完全な間違いだと最新の脳科学で判明しています。脳神経のシナプスはどんどん発達するので人間の頭脳や身体能力なども発達しうるのです。あなたがもし、自転車に乗れた妹のような「パーソナルリアリティ」を構築できれば、あなたの脳があなたに応えてくれます。つまり、あなたは死ぬまで進化し続けるほうの人間になれます。過去の自分と、これからの自分をいったん切り離してみましょう。人間は日々、進化し、日々、向上できる存在です。過去のネガティブな経験があなたの未来をすべて決定するわけではありません。あなたには無限の可能性、無限のポテンシャルがあります。
進歩はゆっくりでもいいのです。進んでいさえいれば、あなたはどんどん成長していきます。あなたの「パーソナルリアリティ」としてこのように世界観を構築してください。そうすれば「人は神の子」と呼ばれるほどの魂の無限のパワーがあなたにも引き出せます。魂は、無限のパワー、無限の可能性をもっています。誰もがその魂を核にして生まれ変わっています。あなたもその進化の旅の途上にあるのです。できることをひとつひとつすれば大丈夫です。世界観と人生脚本を素晴らしいものへと改革することで、自由自在な人生がそこから始まります。自分がどのような世界観をを持つかで引き寄せるものが決まります。
想念、セルフイメージを入れ変える努力(世界観と人生脚本の改革)は理想実現の基本ですが、これに加えて以下の行動を行うと開運が加速します。一つは環境の変化を生み出すこと。悪い縁を切り、良い縁を新しく求めてつながっていく努力をします。住む場所を変えるのも一つですし、職場や友達を変えるのも一つです。新しいものをどんどんつかみにいくことで早く運が変わります。次は、善因善果、悪因悪果の法則にもとづき、善因をつくっていきます。
「人を助ける」「人のために行動する」「人に親切にする」などの愛や慈悲にもとづく言葉と行動を積み重ねます。それが自分の幸福になって戻ってくるのです。戻ってくるまでにはタイムラグがありますので、過度の期待はせずに積み重ねていきましょう。逆の行為をしないように気をつけていきます。このように日々を生きていると、マイナス循環からプラス循環に、運命のサイクルが入れ替わります。普通は一定の時間がかかりますが、いっそう変化を早められる方法もあります。
時間がかかるのは、過去に作り出したマイナスの自己規定がまだ作用しているのと、前世の借金がまだ残ってるからです。そこを有難く救済してくださるのが神仏のご加護です。それを受けるには、「生き方が神仏の御心に叶う」素晴らしいものになる必要があります。そうしていると、神仏の恩寵により、普通では考えられない速さで前世の借金は清算され、幸福サイクルに入ります。つまり何度も大変な試練や苦難が必ず来て、それでカルマが精算されるのです。
そのとき神仏をうらまず、むしろ「これで精算された」と感謝して乗り越えることです。守られている人は、試練といっても必ず乗り越えられる形で来るし、ぎりぎりのところで守られるようになっているのです。試練もまた神仏の愛であり、魂が磨ける学びとして与えられるのです。ここを理解するのが本当の意味での『普遍的信仰心』です。日々善徳を積み、良き未来を創造するための努力をする、それだけで、「今」がだんだん楽しく、おもしろく、愛に満ちた環境になります。
【質問】
「叩けよさらば開かれん」と、キリスト教でも教えています。それがひたすら祈る事、努力する事、望む事。それでも叶わぬのは祈りが足らぬから、努力が足りぬから、望み切れてないから、方向が違うから、あるいは、ただ試されているからなのでしょうか?
【回答】
それだけではありません。誰にでも、前世の負債というものがあります。そのマイナスのカルマがある程度、清算されないと、運勢は開きません。うまくいかない現状がある場合の多くは、まだ相当な前世の借金があるということです。前世で他人を傷つけ、苦しめたゆえに、そのあがないを今、受けているのかもしれません。この前世の借金は代わりに誰かが返済してくれることはありません。しかし、お金の世界での話で例えると、借金の返済にはいろいろな方法があります。
二千万円の借金があったとして、身の自由を奪われて三年間、特殊な職業でただ同然で働かせられて返す場合もあるでしょう。また逆に普通の職種で働きながら二十年かけて、毎月、可能な範囲で返す場合もあるでしょう。過激で苦しい返済方法と、温和で実行のしやすい返済方法があるということです。神仏に愛される度合いが少ない人、つまり愚痴や不満や憎しみを捨てない人は、過激で苦しい返済になりがちです。
しかし、生き方を改めて徳を積んで世のため人のために生きる人の場合は、神仏は返済方法を温和なものに変えてくださるのです。それは正しい生き方にめざめたからです。そもそも因果応報の法則は魂の進化のために存在しています。進化しようと前向きになると、恩赦がおこってくるのです。しかし絶対量はゼロになることはありません。大難が小難になるかもしれませんが、帳消しはありません。
あなたも今、あなた自身の借金を刈り取っているのです。そのとき、どうすれば、より返済しやすい方法で楽に返させてもらえるかです。もっとも重い負債のあがないは寿命にきます。早死にや事故死、変死は悪劫があるから起こります。その次に重い負債は健康を障害します。難病や奇病で苦しんでいる人、障害のある人です。金運や仕事運がなく貧乏で苦しむ場合や、対人関係、いじめなどはその次のレベルといえるでしょう。好きな職業につけない、自己実現できない苦しみもあるでしょう。
徳を積んでいる人、前世の貯金がある人は、この逆に、健康で、お金にめぐまれ、良い親兄弟にめぐまれ、友達にめぐまれ、好きな仕事をして幸せに生きるのです。神仏に愛される人であればあるほど、苦しみの形が少しずつ変化し、より乗り越えやすいもの、その試練で魂が成長できるメリットもあるものに変わります。忘れてはならないことが、もうひとつあります。それは、あらたに善徳を積むという行動です。開運しないのは、徳分が足りないためでもありますから、これを日々の善行で積み上げていくことも大切です。
そして、同じ苦しむなら、善徳を積む過程で苦労するほうがより有意義であるといえるのです。祈るという言葉の理解も重要です。神仏に祈るというのは、数時間単位で考えるものです。五分や十分で動くものではありません。モーゼは十戒を授かるのに40日間、シナイ山の山中で飲まず食わずで祈り続けました。イスラム教徒は日に五回、礼拝が義務づけられています。うまくいっていない人の最大の共通点は、祈りの時間が圧倒的に足りないということです。毎日数時間(一日の合計でという意味です)も祈っていません。せいぜい5分から15分です。祈りが足りないので、神仏に誠が通らず、お祈りの仕方が間違っているので、神が動かないのです。祈りの意味、意義がわかっていないということです。